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頭能の優れた点を商売に活用してきた福井県民の気質とは? 

ねばり強い働き者だが、実利実益も忘れたりしない知恵者。メガネのフレーム生産量も控えめながら日本国内第一位。

流行にも情報にも敏感です。商売上手ゆえ、関西人にまちがえられることも。実は「健康長寿」は密かな自慢なんです。

越前詐欺~生き抜く気持ちと知恵の力

生活が貧しくなったとき、どうするか? この答えの中のひとつに「越前詐欺」ということばがある。「越前」とは福井県のこと。

つまり、「いざ何かあったら詐欺をしてでも食べていく」県民性を表わしたことばであり、困難を打破するために、福井県人は知恵を働かせるということだ。 

先に申し上げた富山県民の「越中強盗=いざとなったら強盗をしてでも生き延びる」 と、石川県民の「加賀乞食」とセットで、北陸三県の違いが言い表わされる。 

福井県人は、この頭のよさが商才に活かされていて、「商売上手」な人が多い。今の時代でも、急成長企業が最も多いというデータもある。なにかコツでもあるのだろうか。 

秋田県の紹介ページでもふれているが、地方では朝日新聞や読売新聞などのいわゆる全国紙より地元の地方紙が購読されている県が少なくない。

その地方紙の世帯普及率が高い県のひとつが秋田県なのだが、北陸の4県のなかで群を抜いて普及率が高いのは福井県だ。 

新潟県の「新潟日報」が58.96%、富山県の「北日本新聞」が62.06%、石川県の「北國・富山新聞」が69.11%。これに対して、福井県の「福井新聞」はなんと76.22%(2010年)。

国内で70%を超えているのは全国第一位の徳島県(徳島新聞、77.19%)と第2位の福井県だけ。 福井県人は社長輩出率が高く、「情報に対して神経質」なことでも知られている。 

その情報源は、意外なことに全国紙とは違って福井新聞だったのだ。もっといえば、社長になりたければ、まず地元の情報をきちんと把握せよということなのかもしれない。

どうしてこんなに「知恵」が慟くのか?

歴史的に見ても、福井県人は頭のキレがいい人が多い印象がある。 江戸時代の最初に多くの藩が財政難に陥ったとき、「藩札」を考え出したのも福井藩だった。

時の藩主は松平家だったのだが、江戸幕府からは御用金を召し上げられるわ、城下では大火があるわで、藩の台所は火の車になっていた。 

すると、藩の知恵者が「金が足りないんなら、つくればいいじゃないか」とコロンブスが卵を立てた以上に想像しやすい名案を思いついた。

藩札は藩が発行するお札で、金貨や銀貨などと兌換(交換)できる。だから、金貨や銀貨同様にものが買えるが、藩札自体はただの紙切れ。

印刷すればいくらだって発行することができる。まるで打ち出の小槌を手に入れたみたいなもので、のちに諸藩や幕府までがマネをするようになった。 

しかし、古くから越前の人は「うまく立ち回り、弁舌もたくみだが。ただのその場しのぎでしかなく、結局は失敗する」とも考えられている。

実際に、藩札も兌換の保証、すなわち信用があってこそ流通するもの。ますます財政が悪くなった福井藩の藩札は市場で通用しなくなり、財政再建策は失敗に終わってしまった。 

とかく商才にたけた男というのがクローズアップされやすいが、意外なことに現代の福井県を支えているのは女性だというデータがある。

福井県は「共働き世帯割合」(56.1%) も「就労女性の常用雇用率」も全国第1位(2010年「国勢調査」)であり、女の人が一生に子どもを産む「合計特殊出生率」も高い(2012年は1.55で18位)。 

もともと福井県の女の人は「働き者」で「預金にも余念がない」といわれてきたが、現代もよく働くお母さんが多いというわけだ。

福井県では子どもを預けてクルマ通勤する母の姿が市内のあちらこちらで見られるという。

話の始めは「天気の話題」から

福井県では「おはようございます」「こんにちは」といった挨拶よりも、「いい天気ですね」「いやな天気ですね」のほうが一般的であるという。 

これは、1年間の3分の1か4分の1が雨か雪だという年間降水量の多い福井県民にしみついた生活習慣。

なにしろ1年のうち雨の日が6割もあり、冬は海岸部でも70日前後、山間部では120日前後も雪が積もっている。

ひと月あたりのの日照時間は65時間で、このデータを東京とくらべると3分の1の時間だという。 

このような気候のなかで生活していれば、太陽のありがたみはひとしおで、晴れたときは心から「いい天気ですね」と誰とでも喜びを分かち合う気になる。

反対に、雨が降っ たり曇ったりしていれば、恨めしいのはお互い様。「いやな天気ですけれど、今日もがんばりましょう」というわけだ。

この気候は県民性にも影響があり、「ねぱり強い」「がんばり屋」という気質をつちかったが、他県人から見ると「内向的」「消極的」で「暗い」イメージがあるようだ。