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石川県民は面倒なことに巻き込まれるのが嫌い?

優雅なお大尽体質はさまざまなものに金箔を入れてしまうというは本当だろうか。大学の数もそうだが、図書館の数も非常に多いことから、勉強好きが多いと言われている石川県民。

でも実は、働くことはあまり得意ではない?そんな県民の気質は「おだやか」面倒なことに巻き込まれず、自分ペースでおだやかな毎日を送りたいというのが希望のようだ。

勉強大好き、本大好き、議論大好き

石川県出身の某総理大臣は、在職中に「サメの脳みそにノミの心臓をもつ」と酷評されたことがある。

そこで当時、石川県のイメージはだいぶ悪くなったようだ。 

しかしながら、皮肉なことに、あまり賢くないと評されたその元首相を出した石川県は、経済企画庁(現内閣府)が行った「新国民生活指標」(通称「豊かさ指標」)1998年版によると、「学ぶ」分野で東京を抜いて第一位だった。

その訳は、 石川県は本や雑誌を売る店と博物館が多いからだという。別のデータでも、人口あたりの書店売上高は東京・大阪・京都に次いで第4位というデータもある。

本好き、勉強好きが多数いるのだ。 しかし、こういったデータを見るまでもなく、石川県人は昔から「学問好き」で「理屈っぽい」といわれてきた。

その伝統を築き上げたのは、なんといっても加賀百万石の歴史。第5代藩主前田綱紀は、あらゆる書を集めて「加賀は天下の書府なり」と新井白石に評されたほどだ。

その加賀の文化は京都からもたらされたものであり、水準は高く、金沢人もそれを誇りに思っているという。 

そんな誇り高い金沢の冬の代表的な料理が「じぶ煮」である。

近頃は名産の金箔をのせる店もあるが、元々は庶民の料理。鴨肉や鶏肉に小麦粉をまぶし、砂糖やしょうゆ、酒などでよく煮込み、麩やタケノコ・シイタケーゴボウなどを盛り、肉の煮汁をかけてワサビを添えれば完成。 

じぶ煮の語源は、キリシタン大名で知名度の高い高山右近が西洋のスープ煮を金沢に伝えたところ、やがて「スープ煮」が「じぶ煮」になったという。

しかしまた、岡部治部右衛門という武士が朝鮮から伝えたからだといった言われもあり、さらに、鴨肉をジブ、ジソとIるからだとか、自分の椀に盛るからだとか、諸説紛々としている。 

学問好きな石川県人だけあって、説は県民の数だけあるようだ。

「紅白の鏡餅」はセレブの象徴だった? 

石川県には「能登のトトラク、加賀のカカラク」という早口ことばのような言い伝えがある。能登の女の人は「働き者」なので夫(お父さん)がラクができ、加賀の男性は「稼ぎがいい」ので妻(お母さん)がラクができるという意味。

だったら、能登の女と加賀の男が夫婦になれば、ラクラクになれそうだが……?

それはともかく、石川県にはまだ男の人が優位の風潮が根強くあるといわれ、「男は女よりすぐれている」という考えが、男女ともに強いという。 

そんな県民性がつちかわれた理由も、加賀百万石の歴史にほかならない。

立派なお殿様と優秀な藩士のおかげで加賀藩は裕福な藩となり、「加賀乞食」(いざとなったときは乞食をして食べていく消極的な性格)といわれたわりには、藩内にはホームレスは一人もおらず、また、幕末にも脱藩者が一人も出なかったという。 

ちなみに、石川県の鏡餅は二段の丸餅の一つが紅色で、紅白の鏡餅になっている。

縁起がいい鏡餅ということで、県内の家庭では当然の光景らしいが、初めて目にした他県の人間は「さすが加賀百万石、おめでたい」と思わずにいられない。 

明治時代になってからも、石川県人の「お大尽意識」は変わらず、お隣の富山県が「これからは工業だっちや」と工業県に邁進したのに対し、「別に工業なんかに力を入れなくても、十分食べていけるけんね」と工業化にも知らん顏。

かくして近代化に乗り遅れてしまった石川県は、京都のような古きよき伝統を守りつづけたが、工業化では富山県に大きく後れをとることになった。 

この「新しいものは苦手」というのも石川県の県民性のひとつで、積極性に欠ける人が多いといわれる。

しかし、お大尽というものはよくできたもので、工業化が遅れたぶん、バブル崩壊のとばっちりもあまり受けなかった。いい思いもしなかった代わりに痛い思いもしなかったのだ。 

金持ち喧嘩せずの県民性は現代にも受け継がれ、石川県人は「面倒なことに巻き込まれるのが嫌い」「おだやかで変化のない生活をしたい」という人の割合がとても高い。