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神々が住んでいたと言われる島根の県民性は保守的?

出雲大社も出雲駅伝も、島根県です!ねばり強い働き者だけど、東北人じゃありません。

缶コーヒーの発祥地なのも島根県。いろいろな新しいものもつくっている。いろいろと知ってほしいので少し紹介したい。       

島根県は大昔、出雲と呼ばれていて神様が寄り集まる場所だった。なので、他の県では10月を「神無月」と言うのに、ここの場所だけは「神在月」という。

スサノオノミコトのヤマタノオロチ退治を筆頭に神々の物語もいくつも伝えられていて、古代出雲は「神話の国」とも呼ばれてきた。

しかしながら、そんな神々しい県でもあっても、なぜか島根県は東北地方にそっくりである。

「老後も、いま住んでいるところで暮らしたい」~91% 

島根県には神代の時代からの非常に長い歴史がある。  

その類似性をトリックにつかった有名作家の推理小説もある。

ネタを明かしてしまうのはしのびないのでちょこっと書くと、そのトリックは島根県の出雲の地域が重要なカギになっている。

なぜなら、中国地方のなかで出雲に関しては、東北弁と似た方言があるのだ。具体的に言うと、出雲を「えずも」と発音するように「い」と「え」がひっくり返る。また、いわゆるズーズー弁もある。 

元々出雲地方の旅館で、番頭に「爺さん婆さん」と声をかけられた2人連れのお客が、そこまで歳はとっていないと怒ると、実は「ズーサンバンサン(13番さん)」と部屋番号で話しかけられていた、というのはよく知られている実話である。 

しかしながら、番頭のことばが予言となったのか、今では鳥根県は本当に爺さん婆さんの県になってしまっている。

日本全国の都道府県において、島根県は65歳以上の人口の占める割合が29.1%(2010年)と大きい。若者たちの県外への流出も数多く、島根県内は年配者だらけ。

いくら大昔、神々が住む国だったといっても、仙人のような人ばかりでは……。そのためなのか、島根県人は「保守的」と考えられている。とくに出雲地方はそうだ。

たしかに、身の回りに若い子の姿が見えなくなれば町に新たな空気が流れにくくなり、住んでいる人が保守的になるのも道理だ。

しかし、島根県人の61歳以上の91%が「老後も現在のところでずっと暮らしていたい」と回答したという調査結果もあることから、高齢者にとって島根県は生活しやすい県なのであろう。 

考えてみれば、至るところ若者好みの町になってしまうのもつまらない。年配者が好んで寄り合うような町があってもいい。

東京・巣鴨の「とげぬき地蔵」の商店街は「おばあちゃんの原宿」と呼ばれていて、たくさんの老婦人が訪れるが、いっそのこと島根県も都道府県版「おじいちゃん・おばあちゃんの原宿」を目標にするのはどうだろう。

「ふつう」の反対をいく食文化 

島根県には神話だけに限らず、他にすぐれた文化もある。なかでも食文化はとても豊かで、それを花開かせたのは松江藩第七代藩主の松平治郷だと伝えられている。

治郷は窮乏をきわめていた藩の財政を建て直した名君であったが、風流を解した茶人でもあり「不昧公」とも言われた。 

その不昧公は大の美食家でもあり、美食を探求したおかげで出雲には多くの名物料理が誕生した。

ちなみに、この不昧公の貪欲な食欲に応じて新たな料理をつくりだしたのは、「新しいものを意欲的に取り入れる」島根県人のいいところ。その努力の結果、いまも島根県には美味しい料理が伝えられている。 

島根県の豊かな食文化の代表が「宍道湖七珍」。「アマサギ」(ワカサギのこと)、「コイ」「シラウオ」「スズキ」「シジミ」「ウナギ」「モロゲエビ」といった7つの珍味のこと。

その中でも「スズキの奉書焼き」は日本全国で知られている。 なんでも、漁師が海辺でスズキをあぶっているのを食いしん坊の不昧公が見て、早速所望した。

けれども、お殿様が召し上がるというのにスズキをむき出しで焼くわけにはいかないというので、奉書に包んで蒸し焼きに。すると、スズキの旨味を逃さすことなくいっそう美味しくなったという。 

島根県にはこれ以外にも美味しい料理がいっぱいあるが、そのひとつが「出雲そば」。色の黒いそばが特徴的で、器物に盛ったそばにつゆをそのままかけて食べる。

一般的なそばの食べ方とは反対だ。 また、津和野の地域の郷土料理「うずめめし」は山菜やニンジン、かまぽこなどの具材をご飯の下に埋めて蒸した食べ物。

具材を埋めるから「うずめ」と言われるわけだが、ふつうはご飯の上に具材をのせる。これ自体も一般的な食べ方とは逆。

どうしてなのだろうか島根県人はひねくれて……、いや失礼。これだって新しいものを生み出そうとする県民性の表われというべきだろう。